プレスリリース

2019年 7月 31日
石川県加賀市/⼀般社団法⼈加賀市観光交流機構
株式会社アドヴァンテージ

働きやすい職場環境づくり、働きがいのある組織づくりを目指して
社員時代の苦い経験を理念経営で改革、宿泊業で働く魅力探求:KAGAルート勉強会レポート

石川県加賀市(宮元陸 市長)と一般社団法人加賀市観光交流機構は、人材採用支援事業を手掛ける株式会社アドヴァンテージ(神奈川県横浜市、代表取締役社長:中野尚範)と連携し、宿泊産業における就労環境改善や雇用創出に向けた取り組み「KAGAルート」を平成29年8月より開始しております。令和元年度も引き続き継続し、プロジェクトの一環として採用強化に向けた勉強会を実施しております。
 この度、観光庁「宿泊業の生産性向上推進事業」において「マーケティング」「シフト改善、中抜け勤務の解消・見直し」「水光熱費の削減」モデル事例として取り上げられ、積極的に社内改革を行い生産性の高い組織構築や、理念経営を実施され、宿泊業で働く魅力を様々な取り組みで探求されておられる、長野湯田中温泉の株式会社あぶらや燈千 代表取締役 湯本 孝之氏をお招きし、「組織改革と生産性向上」と題し、具体的な取り組み、経営者としての想い等をご講演いただきました。
(令和元年7月29日実施)
【講演内容】
先進事例・成功事例に学ぶ
「組織改革と生産性向上」
1)組織改革のきっかけ
2)理念をつくる/経営計画書作成
3)組織の全体最適化/2交代制勤務の定着化/社内委員会プロジェクト
4)生産性向上の取り組み、売上拡大施策について
5)更なるチャレンジ(生産性の高い組織づくり、さらなる理念経営)

■先代である両親の反対を押し切り、社内改革を断行。家族経営から企業としての理念経営へ。 「笑顔をわかちあう」を合言葉に取り組み、接客のマルチタスク化や2交代制勤務の導入実現。

 28歳であぶらや燈千に入社した当時は、中途社員と派遣社員がメインの40名程度で、仕事は一生懸命であったが、言う事、やる事はバラバラで統一感はなく、身内中心の良くも悪くも家族経営でした。結果、多くの社員が入退社を繰り返し、従業員からは会社の課題や改善の要望を聞き、経営者である両親に伝えるも取り合ってもらえなかった。そこで自身を支配人にするよう嘆願し、約5年かけて実現、「好きなようにやればよい」との言葉もあり、社内改革に取り組むが、やっと入社してくれた新人は、半年も経たない間に全員辞める結果になった。新人を受け入れる心構えも、育成プログラムも無く、仕事の仕方、考え方も属人的でバラバラであった。企業としての基本となる、共通の価値観が必要と思い、「理念」をつくることにした。スタッフの在り方として企業理念を「笑顔をわかちあう」としました。ここが転機であったと思います。
 その後、お客様の口コミにはお風呂や食事でなく「笑顔がよかった」と書かれることが多くなりました。しかし、理念だけでは共通の価値観、方向性を合わせるには不十分であった為、経営計画書を全従業員に配り、会社の数字をオープンにしました。理念やビジョンの実現のために経営目標があり、目標達成のために各方針、福利厚生があり、各部門の実行計画、担当者を共有しました。
 その後、組織の全体最適化を進める為に、接客サービス(フロントと仲居係)のマルチタスク化を開始し、人材の定着化や働き方改革を背景に、今期方針は2交代制勤務の定着化とし、売上、経費、組織、採用、改善全てを紐づけて取り組んでいる。従業員満足度UPの為に社内委員会プロジェクトを発足させ、各委員会(ICT、人材育成、新卒採用、5S、中途採用・中途対策、エネルギー削減)いずれかに、従業員は属し取り組んでいる。
 まだまだ改革の志半ばであり、さらなる理念経営を目指し、働きやすい職場環境づくり、働きがいのある組織づくりを進めて、宿泊業で働く魅力をもっともっと伝えていきたいと思っています。

■参加者の声(※勉強会アンケート回答より一部抜粋)

・経営サイドだけでなく、社員の皆さんを巻き込んで、新しい取り組みをされていることに強い行動力を感じた。会社の理念、共通の価値観を持って、同じ方向に向かう事の重要性を知りました。
・職員のマルチタスクの重要性を改めて感じました。
・2交代制は新卒採用に向けて実践したいが、業務の洗い出しや、客室係の抵抗もあり、難しい面もある。フロントと客室係を出来るところから始めたい。
・社員に対してとにかく情報をオープンに見える化されているのが参考になった。

■KAGAルートとは

加賀市、加賀温泉郷DMO、㈱アドヴァンテージが官民連携体制のもと地域が一体となり、 宿泊産業における働き方改革・就労環境改善に取り組み、新規就労者創出を目指します。

■日本一働きたくなる温泉観光都市を目指して
 温泉旅館雇用促進プロジェクト「KAGAルート」
1)採用強化に向けた勉強会            2)従業員向け合同研修
3)空き家活用による従業員住環境のテスト実証   4)求職者・従業員就労ニーズ調査
5)インターンシップの受け入れ体制づくり、合同インターンシップの実施
6)加賀温泉郷専用の求人サイト「KAGAルート」

■KAGAルート事業主体

・加賀市観光推進部 観光交流課
 本事業の事務局を担い、観光宿泊事業者と行政の連携窓口として、市役所関係部署との調整も行いながら、
 本事業の円滑な運営を進めます。
・一般社団法人加賀市観光交流機構 (加賀温泉郷DMO)
 三温泉の観光協会や旅館協同組合、市内観光事業者、観光以外の各種業界も包括する地域商社的な組織として、
 宿泊観光事業者と連携しながら本事業を推進します。
 ※DMO:Destination Management / Marketing Organization の略
・株式会社アドヴァンテージ
 人材採用支援事業を専業とし、求人広告、人材派遣・紹介に頼らず企業独自の採用サイトで、
 直接求職者と企業が繋がる採用手法(ちょくルート)をサービス展開するとともに、
 地方創生や働き方改革に関する公共事業を手掛け、様々な地域資源を組み合わせた採用ブランドづくり、
 ウェブ・SNS等を活用した情報発信・プロモーション、効果的なマーケティング、戦略策定等、
 地域を主体とした採用支援を推進。
 本事業では、企画運営を受託し、優れたノウハウを活かし効果的な事業推進を図ります。  
【お問い合せ先】 
■加賀市観光推進部 観光交流課 (担当:園田/角谷)
Mail:kankou@city.kaga.lg.jp
Tel: 0761-72-7905
■株式会社アドヴァンテージ「KAGAルート」事務局(担当:奥村)
Mail:info@ad-vantage.jp
Tel: 045-477-1033