プレスリリース

2019年 3月 9日
石川県加賀市/⼀般社団法⼈加賀市観光交流機構
株式会社アドヴァンテージ

理念・ヴィジョンを共有浸透させることが、会社・仕事・人財の質を上げる
規模ではなく、長く続く企業を目指す事が重要:KAGAルート勉強会レポート

石川県加賀市(宮元陸 市長)と一般社団法人加賀市観光交流機構は、人材採用支援事業を手掛ける株式会社アドヴァンテージ(神奈川県横浜市、代表取締役社長:中野尚範)と連携し、加賀温泉郷の宿泊産業における、就労環境改善や雇用創出に向けた取り組み「KAGAルート」を平成29年8月より開始しております。プロジェクトの一環として採用強化に向けた勉強会を実施しており、平成31年3月7日に開催した今年度第六回目となる内容をご報告いたします。
 今回は石川県内で能登九十九湾百楽荘、金沢湯涌温泉百楽荘を経営されると共に、宿泊施設のコンサルティング事業も展開されている、株式会社百楽荘/株式会社宿力 代表取締役 萩原 聡彦氏をお招きしました。経営不振に陥った母親の実家である能登半島百楽荘の再生を任され、時代の変化を先取りし高級志向のお客様をターゲットとした旅館へと大きく転換することで、北陸随一のスモールラグジュアリー旅館へと成長し、経営再建されました。その経験の中で得られたノウハウや、具体的な取り組み、経営者としての想い等をご講演いただきました。

【講演内容】
成功事例に学ぶ
「100年ヴィジョンと企業の在り方」
1)旅館の再建、自社の現状
2)旅館経営の安定のための5つの要素(ヴィジョン、売上、支出、設備、人財)
3)攻めの新卒採用、優秀な人材を採用するには
4)企業の在り方(三方よしの精神、社会性→独自性→経済性の順番)
5)100年ヴィジョン
6)幸せの法則、幸せの連鎖
7)メディア対策とブランディング

■給与などの待遇だけが良くても、人材は集まらないし、続けて働いてくれない。育たない。 「やりがい」と「実益」のバランスが大切。6:4か7:3くらいがちょうどよく、長く働いてくれる。

 求人内容で求職者を呼び込むことは、手法を間違えなければある程度は可能だと考えています。ただし、優秀な人材の採用や継続となるとそれだけでは難しいと思います。会社の根本が良くないと優秀な人材は集まらないし、長期で働いてくれません。根本の良さに関係する、旅館経営の安定の為の五つの要素があると考えています。まず「売上」が伸びず、下がっている会社には優秀な人材は入ってきません。また、いくら売上があっても、入ったそばから出ていくような経営では利益が出ません。「支出」は利益を出すうえで大切な要素です。旅館が提供しているサービスには空間や部屋もあり、その箱ともいえる「設備」を修繕し、新たに投資していくことも重要です。企業は「人財」で成り立っています。優秀な人材を集めること、長期間働いてもらうことが大切です。この四つ全てに繋がる五つ目の要素として「ヴィジョン」が存在します。自分の企業が何のために存在して、何をすべきなのか明確にする必要があります。
 また、給与などの待遇だけが良くても、人材は集まらないし、続けて働いてくれない。育たない。「やりがい」が無いと駄目です。「やりがい」と「実益」のバランスが大切で、6:4か7:3くらいがちょうどよく、長く働いてくれます。利益の還元は必要ではあるが、「やりがい」の方が重要であると思います。

■企業を大きくする事が働く人の幸せにつながるのか、企業が長く続く事が幸せにつながるのか。

 日本で設立後30年以上続く会社は1万社に約2.5社の割合しかありません。設立5年後には85%が、10年後には90%を超える会社が存在しません。逆に日本は、長く続く企業の数が世界で一番多い国でもあります。創業200年以上続く企業数は3位フランス、2位ドイツを足した数より日本は多いという話もあります。また、自社利益だけを追求し、事業拡大している企業の中には、従業員に十分なロイヤリティを与えていないケースも多く、大規模な企業も潰れる世の中になってきています。今、日本の経営者は「企業を大きくする事が働く人の幸せにつながるのか」、「企業が長く続く事が働く人の幸せにつながるのか」を問われていると思います。
 本来企業の在り方として一番重要なのは「社会性」です。この事業は社会的価値があるのかどうかが最も大切であり、それを「独自性」として、自分たちだけしかできない方法で提供し、会社として採算が合うか「経済性」を考えることが重要です。会社とは社会の様々な問題を解決し、社会をより豊かにするために存在します。旅館に泊まって頂き、サービスを提供することで、どう社会に貢献するかという「社会性」が最も重要になってきます。自身の会社が「何の幸せを人に提供するか」を明確にし、まとめたものが企業理念です。その企業理念やヴィジョンを社員に共有し、浸透させることが企業を長く続けるためには重要で、その結果として会社や仕事や人材の質を上げることに繋がります。

■参加者の声(※勉強会アンケート回答より一部抜粋)

・百楽荘の復活はヴィジョンを作り、浸透させていくことができたからこそであると痛感した。
・人材採用のノウハウについて具体的にお話しいただき、非常に勉強になりました。
・人材の採用、定着が多くの企業の課題であり、企業理念やヴィジョンを語ることの必要性を強く感じた。
・企業として成長の理由がよく理解できた。

■KAGAルートとは

加賀市、加賀温泉郷DMO、㈱アドヴァンテージが官民連携体制のもと地域が一体となり、 宿泊産業における働き方改革・就労環境改善に取り組み、新規就労者創出を目指します。

■日本一働きたくなる温泉観光都市を目指して
 温泉旅館雇用促進プロジェクト「KAGAルート」
1)採用強化に向けた勉強会            2)従業員向け合同研修
3)これからの加賀温泉郷、経営合理化を図る検討会 4)空き家活用による従業員住環境のテスト実証
5)求職者・従業員就労ニーズ調査         6)インターンシップの受け入れ体制づくり
7)合同就職イベント               8)加賀温泉郷専用の求人サイト「KAGAルート」

■KAGAルート事業主体

・加賀市観光戦略部 観光交流課
 本事業の事務局を担い、観光宿泊事業者と行政の連携窓口として、市役所関係部署との調整も行いながら、
 本事業の円滑な運営を進めます。
・一般社団法人加賀市観光交流機構 (加賀温泉郷DMO)
 三温泉の観光協会や旅館協同組合、市内観光事業者、観光以外の各種業界も包括する地域商社的な組織として、
 宿泊観光事業者と連携しながら本事業を推進します。
 ※DMO:Destination Management / Marketing Organization の略
・株式会社アドヴァンテージ
 人材採用支援事業を専業とし、求人広告、人材派遣・紹介に頼らず企業独自の採用サイトで、
 直接求職者と企業が繋がる採用手法(ちょくルート)をサービス展開するとともに、
 地方創生や働き方改革に関する公共事業を手掛け、様々な地域資源を組み合わせた採用ブランドづくり、
 ウェブ・SNS等を活用した情報発信・プロモーション、効果的なマーケティング、戦略策定等、
 地域を主体とした採用支援を推進。
 本事業では、企画運営を受託し、優れたノウハウを活かし効果的な事業推進を図ります。  
【お問い合せ先】 
■加賀市観光戦略部 観光交流課 (担当:宮永/奥野)
Mail:kankou@city.kaga.lg.jp
Tel: 0761-72-7905
■株式会社アドヴァンテージ「KAGAルート」事務局(担当:奥村)
Mail:info@ad-vantage.jp
Tel: 045-477-1033
(石川県加賀市大聖寺にサテライトオフィス「ADVLab.」を開設しました)